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ソーイング本にも載っていない学校でも教わらない”コツ”を知って
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マチ針を使わず既製服のように縫う ソーイングサロン「RANPI」の曽根かおりです。
忙しい毎日の中で、ふと「何か心がザワザワする」「時間に追われている感じがする」そんな風に感じることはありませんか?暮らしを整えたいと思いながらも、何から始めればいいのか分からない方も多いでしょう。
実は、洋裁という手仕事には、暮らしと気持ちの両方を整える不思議な力があります。針と糸、そして布という身近な道具で、自分だけの時間を作り出し、心に余白を生み出すことができるのです。
今回は、縫うことで得られる「整う」感覚について、私の経験と共にお話しさせていただきます。きっと読み終える頃には、「私も何か縫ってみたい」という気持ちが芽生えているはずです。
暮らしを整えるとは何かを考える

暮らしを整えるというと、多くの方が部屋の片付けや断捨離を思い浮かべるかもしれません。確かに物理的な整理整頓も大切ですが、本当に整えるべきは「時間」と「気持ち」なのではないでしょうか。
生活を「整える」とは、感情の余白をつくること
整った暮らしとは、決してピカピカに磨かれた部屋や完璧なスケジュール管理のことではありません。大切なのは、自分の感情に余白があることです。
忙しさに追われて心がいっぱいいっぱいになっている時、私たちは些細なことでイライラしたり、大切な人への思いやりを忘れがちになります。そんな時こそ、心の余白を作ることが必要なのです。
洋裁をしている時間は、この感情の余白を自然に作り出してくれます。布を触る感触、針を進める一定のリズム、形になっていく喜び。これらすべてが心を穏やかにし、日々の小さなストレスから解放してくれるのです。
ものを整えるより、まずは「時間」と「気持ち」
部屋を片付けることも大切ですが、それよりも先に整えたいのは時間の使い方です。毎日があっという間に過ぎていく感覚から抜け出すには、意識的に「自分のための時間」を作ることが重要です。
洋裁は、まさにこの「自分のための時間」を作る最適な方法の一つです。30分でも1時間でも、縫うことに集中している間は、仕事のことも家事のこともひとまず置いて、純粋に自分と向き合うことができます。
「自分のための時間」が、心を整える習慣になる
自分のための時間を持つことは、わがままでも贅沢でもありません。むしろ、家族や周りの人たちに優しくあるために必要なセルフケアなのです。
縫い物をしている間、私は自分の内側と静かに対話しています。「今日はどんな一日だったかな」「明日は何を楽しみにしようかな」そんな風に、日々の出来事を心の中で整理整頓しているのです。
この習慣が身につくと、感情的にぶれることが少なくなり、穏やかな気持ちで過ごせる日が増えていきます。
縫うことで手に入る”整った時間”

洋裁という行為そのものが、時間の質を変える力を持っています。ただ時間が過ぎるのを待つのではなく、自分で時間をデザインし、充実した時間を創り出すことができるのです。
手を動かす時間が生む「静けさ」と集中
現代社会では、常に何かしらの情報が頭の中に流れ込んできます。スマートフォンの通知、テレビの音、周りの人の会話。心が本当に静かになる時間は意外と少ないものです。
縫い物をしている時は、自然と外の雑音が気にならなくなります。針を進める手の動きに意識が集中し、心が静寂に包まれるのです。この感覚は、瞑想にも似ているかもしれません。
集中している時間は、脳にとってもリフレッシュの時間になります。普段使っている論理的思考を一度お休みさせて、感覚的な部分を使うことで、頭がすっきりとクリアになるのです。
洋裁は五感を使って暮らしを感じ直す行為
布の手触り、糸の色合い、ミシンの音、完成した時の喜び。洋裁は五感をフルに使う行為です。普段、視覚や聴覚に偏りがちな現代生活において、触覚を意識的に使うことは新鮮な体験になります。
さまざまな種類の布に触れることで、季節の変化を感じることもあります。春には軽やかなコットン、夏には涼しげなリネン、秋冬には温かなウールやフランネル。素材を通して四季を感じることができるのも、洋裁の魅力の一つです。
成果が形になる喜びが、自信と活力につながる
何かを成し遂げた時の達成感は、次への活力になります。洋裁では、この達成感を比較的短期間で味わうことができます。
一枚のブラウスが完成した時、一着のスカートが出来上がった時の喜びは格別です。「私にもこんなものが作れるんだ」という実感が、日常生活における自信にもつながっていきます。
この小さな成功体験の積み重ねが、人生全体に対する前向きな気持ちを育んでくれるのです。
暮らしを整える習慣としての洋裁

洋裁を暮らしの中に取り入れることで、生活全体にリズムが生まれ、日々に楽しみと充実感をもたらすことができます。
毎日にリズムが生まれる
洋裁を習慣にすると、自然と生活にリズムが生まれます。朝の家事が終わったら30分だけ縫い物、夕食の準備前に手縫いの時間、など自分なりのパターンができてきます。
このリズムがあることで、一日一日を大切に過ごしている実感が湧いてきます。ただ何となく過ぎていく時間ではなく、意味のある時間として感じられるようになるのです。
また、季節の変わり目に合わせて新しい作品を企画することで、一年を通して楽しみを作ることもできます。春になったら軽やかなブラウスを、秋が来たら温かなカーディガンを、といったように暮らしに彩りを添えることができます。
暮らしの中に「楽しみ」を組み込む
大人になると、純粋に楽しいと思えることが少なくなりがちです。責任や義務に追われて、自分の「好き」や「楽しい」という気持ちを後回しにしてしまうこともあるでしょう。
でも、洋裁という楽しみを暮らしの中に組み込むことで、毎日に小さなワクワクを作ることができます。今度はどんな色の糸を使おうか、どんなボタンを選ぼうか、そんな小さな選択一つ一つが楽しみになります。
この「楽しみ」があることで、仕事や家事などの義務的なことも軽やかにこなせるようになるのです。
丁寧に暮らす感覚が、自分を大切にする気持ちを育てる
洋裁をしていると、自然と物事を丁寧に扱うようになります。布を大切に裁断し、一針一針を心を込めて縫い進める。この丁寧さが、暮らし全体に広がっていきます。
食事を作る時も、掃除をする時も、家族との会話も、以前より丁寧に向き合えるようになります。そして何より、自分自身を大切に扱えるようになるのです。
自分のために時間を使い、自分のために何かを作り上げる。この経験が「私は大切にされるべき存在なんだ」という自己肯定感を育ててくれます。
まとめ:洋裁がくれた、整える力と喜び

洋裁を通して得られる「整う」感覚は、単なる片付けや時間管理とは全く違う次元のものです。それは心の奥深くから湧き上がる充実感であり、生きることへの喜びなのです。
縫う時間が整えてくれるのは、暮らしだけではない
縫うことで整うのは、部屋や時間だけではありません。自分自身の心、家族との関係、未来への希望、すべてが少しずつ整っていきます。
イライラすることが減り、家族に優しく接することができるようになります。将来への不安が和らぎ、今この瞬間を大切に生きることができるようになります。
少しずつ積み重ねた時間が、自分を整える力になる
毎日の小さな縫い物の時間が積み重なって、いつの間にか大きな力になっています。それは技術的な上達だけでなく、人生を豊かに生きる力そのものです。
困難なことがあっても、「大丈夫、私には縫う時間がある」と思えることで、心に支えができるのです。
好きなことで暮らしを整えるという選択
暮らしを整える方法は人それぞれです。読書、音楽、散歩、料理、どれも素晴らしい方法です。その中で洋裁を選ぶということは、自分の手で何かを創り出し、形として残せるものを選ぶということです。
縫った服を着るたびに、その時の気持ちや作った時の喜びがよみがえります。暮らしを整えるだけでなく、思い出も一緒に紡いでいける。それが洋裁の特別な魅力なのです。
忙しい毎日の中でも、ほんの少しの時間を見つけて、針と糸を手に取ってみませんか。きっとあなたの暮らしにも、新しい豊かさが生まれることでしょう。